ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智先生に関する一連の記事で、メルク社が治療薬を無償提供できるようになった理由として、大村先生が「特許放棄」「特許権放棄」「特許権の一部を放棄」「特許ロイヤリティの取得を放棄」「特許料250億円を放棄」したためといろいろな表現で書かれています。

発明通信社の発明コラムの記事によると「商用利用で得られる特許ロイヤリティの取得を放棄して無償で配布することに賛同した」と書かれているので、おそらく「先生又は研究室が、メルク社から特許ロイヤリティ(使用料)を受け取ることができる権利の一部を放棄したため、メルク社がその浮いたお金の分だけ無償配布できるようになった」ということだと推測します。

少なくとも、特許(権)を放棄してしまうと、メルク社に限らず世界中の製薬メーカーが治療薬を使用料なしで製造・販売できるようになってしまうので、このような表現は妥当ではないと思います。