先日、論文試験が行われたようで、腕試しと思い問題を見てみました。

【問題II】

「量子コンピューティングの応用に向けた研究開発を行うスタートアップ企業である甲は、自動車メーカー乙と電気自動車(EV)用車載電池の長寿命化のための材料開発を目的として、令和2年4月から令和3年3月を共同開発期間とする共同開発契約を締結した。当該契約においては、甲・乙間の共同開発から生まれた共同発明に係る特許を受ける権利は乙に帰属すること、当該発明について乙は甲にその実施を非独占的に許諾すること、及び、共同開発期間の終了後半年以内に、乙は甲との共同開発を継続するか否かを判断して甲に通知することが定められていた。当該共同開発では、甲及び乙の従業者らの協力のもと、従来より充放電の耐久性能を改善する新材料が得られ、当該新材料に係る共同発明である発明イとして「成分α及びβを含む正極材料」が生まれたものの、乙は、引き続き新材料の探索をすることを理由として、甲との共同開発は継続しないことを令和3年5月に甲に通知した。その後、甲は、以前から問い合わせのあった電池メーカー丙と新たに車載電池のための材料開発を目的とする共同開発契約を令和3年6月に締結した。当該契約においては、甲・丙間の共同開発から生まれた発明に係る特許を受ける権利は甲及び丙の共有とすることが定められていた。当該共同開発では、甲の提案により、甲が丙に開示した発明イを出発点として新素材の発見に向けた仮説検証が繰り返された結果、成分γを用いることにより充放電の耐久性能が大幅に向上されることが判明し、発明イの改良発明ロとして「成分α、β及びγからなる正極材料」が生じたことから、甲及び丙は、令和4年6月に改良発明ロを明細書に記載した特許出願Aをした。特許出願Aの明細書には、改良発明ロに加えて、その上位概念である発明イが記載されており、特許請求の範囲には唯一の請求項として発明イである「成分α及びβを含む正極材料」が記載されていた。また、甲・丙間では発明イの特許を受ける権利についての帰属・譲渡等に関する合意はなされていない。以上の事実関係を前提として、以下の設問に答えよ。なお、甲、乙及び丙は従業者等がした職務発明について特許を受ける権利を使用者等に取得させることをあらかじめ勤務規則に定めているものとし、特許法第 35 条第3項の規定により従業者等が行った発明が使用者等に帰属することについて論じる必要はない。」

 

この後に設問が続くわけですが、この問題IIの配点が100点、問題Iの配点が100点です。

3万円くらい貰わないと解く気になれないです(笑)